それが起こったのは6月27日だった。
フェイズ３−４体目にとりかかる気力も起きないまま、ダラダラしつつ迎えたその日。
例の某所に１枚の画像がアップされた。
レギュレーションに則り、カスタマイズされたエミちゃんを撮影した１枚の画像。

だが、それこそまさに私にとって巨大隕石の直撃にも思える衝撃がｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!瞬間だったのである。

数日前から予告されていた、とある有名カスタマイザーさまのエミちゃんがお披露目されたのだ。
私も以前から注目していたカスタマイザーさんで、特に最近、ある場所で偶然ナマで作品を目にして以来、
《いつの日かこの方のレベルにまで到達したい》と密かに目標にさせていただいていた実力者。
お披露目された画像の期待に違わぬどころか期待を遥かに上回るその美しさはもはやエミちゃんではなかった。

実際、そのエミちゃんがアップされてから某所はちょっとしたパニック状態で
「もう、ペイントではこれは神」との発言まで。

実は、02&03号の失敗で煮詰まっていた私自身、参考にしたくてその有名カスタマイザーさまの降臨をリクエストしていた一人だったのだが、
アップされた画像を見たとたん、参考にするどころか瞬時に戦意喪失。
降参を表明し、ただちにエミちゃん12体カスタム計画の中断を決定。
時に西暦2002年6月28日1時28分の事であった。

私の降参宣言の直後、「もう使わないなら残ったエミちゃんを売って欲しい」とのリクエストがあり、
それに応じた私は3体ずつ3セットにしてオークションに出すことに決めた。

短い付き合いだった。
結局、仮面エミダーの撮影のためだけに買ったようなものであるが、
いざ別れるとなると寂しいものがあるのは否めない。

だが、出品の準備を始めた矢先、別の方から「待った」がかかった。

はやまって足を洗うなんて言わないで
今までのリカちゃんを描けたあなたなら
まだまだいろんなパターンのエミちゃんが描けるはず
実際にＨＰでは「失敗作」と言いながら2体目、3体目をうｐしてるじゃない！
ドールアイもまだ試してないでしょう！
あきらめずにがんがれ！
でも、どうしても放出されるなら、ついでにリカちゃん（２号）も出品おながいします。

なにやら最後の１行が気になるが、このような主旨の激励の書き込みだった。

これを受けて、エミちゃんを買いたがっていた方までが「それもそうかも」と言い出され、

４体位手元に置いておいて、５体だしてください
漏れもリカちゃん（３号）出品おながいします

と、トーンダウン（？）されたのである。

お二人の生温かい書き込みに勇気付けられた私は計画の凍結を解除。
３体だけ手元に残し、全６体に縮小した上で計画続行を決意したのであった。